ブログ|日本歯科医療人育成協会®

フロス使用には科学的な根拠がない?!

8月15日『YAHOO!ニュース』に取り上げられた
デンタルフロスの記事・・・

歯科衛生士達の間で話題になりそうですので、少し考えてみたいと思います。

 

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アメリカでは1979年から政府によって一日一回のフロスが奨励されてきました。
このガイドラインでは科学的なリサーチにもとづき、5年ごとに項目の見直しを行なうことになっています。
APは昨年アメリカ合衆国保健福祉省と農務省に対し、
フロスの効能についての根拠を示すよう求めていました。
すると、今年初めて食事に関するガイドラインからフロスを奨励する項目が削除されたのです。
政府はAPに対し、「フロスの効能に関してこれまで科学的な研究が行われてこなかった事実を確認した」と削除の理由を説明しています。
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<ここで知っておきたいこと>
★AP(Associated Press)
 =世界的な通信網を持つアメリカ合衆国の大手通信社
★「食事に関するガイドライン」であること

 

・・・APのライターJeff Donn氏によると・・・
歯周病やインプラントの専門家が集まるアメリカ歯科医師会とアメリカ歯周病学会は、いくつかの研究を例に挙げてフロスが歯垢の蓄積を抑え、歯肉炎や虫歯を防いでくれると主張しています。
しかし、ほとんどの研究は時代遅れな方法で実験を行っており、
被験者も少ないものでした。
なかには被験者の観察をたった2週間しか行っていない研究もありました。当然2週間は虫歯や歯茎の病気が進行するのに十分な期間とはいえません。
ほかには25人の被験者が一度だけフロスを使った後に調査を実施したケースもありました。
また、こうした研究は歯茎の出血や炎症にフォーカスしており、歯茎の病気や虫歯についてはほとんど触れていません。
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<ここで私が疑問に思うこと>
★研究が時代遅れな方法で実験を行っている?
★こうした研究は歯茎の出血や炎症にフォーカスしており、
 歯茎の病気や虫歯についてはほとんど触れていません?

 

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歯周病学会会長のWayne Aldredge氏は科学的根拠が乏しく、調査期間が短すぎる研究が多いことは認めた一方で、ひきつづき患者にはフロスの使用を奨励したいと言います。「(フロスをしないことは)家を建てておきながら、両側面の壁の色を塗らないようなものです。そうするとその二つの面は通常よりも早くボロボロになってしまいますよね。」 
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<この「たとえ」は適切?>
★フロスの推奨は、食物残さや歯間隣接面のプラーク除去
 つまり「細菌感染予防」として
 「両側面の壁に色を塗る」と解釈。

 

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アメリカ国立衛生研究所はAPの取材に対して、今後フロスに関するガイドラインを削除する必要がでてくることはあり得るが、あくまでもより厳しい研究がなされてからだとコメント。フロスは「ローリスク、ローコスト」であり「効果があると証明される可能性もある」ので、これからも続けてほしいとのことです。
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<またまた疑問に思う>
★「効果があると証明される可能性もある・・」

<私の切なる願い>
★『フロスには科学的な根拠がないのでもう使いません』
 と極論で語らないでほしい・・・